文庫黒部の太陽
信濃毎日新聞社 

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価格:¥840
出版日:1998-06
セールスランク:83906
文庫

在庫あり。
著者:木本 正次
出版:信濃毎日新聞社
(ASIN:4784092161, ISBN:4784092161, EAN/JAN:9784784092161)
カスタマーレビュー:評価平均:3.5(全レビュー数:7)
 評価:4名作です。非常にお薦めです (2009-05-10)
読んだ本は文庫本であるが、既に第17刷(2008.3)で、非常に長く読み継がれたものでありことが分かる。この本は、日本でもっとも有名な発電所となった関西電力の黒部川第四発電所(クロヨン)の建設ノンフィクションであり、最近でも「大町トンネル破砕帯突破50周年」で、フジテレビ系列で同名のTV番組が放映されたこともあり、読んだものである。

香取慎吾主演のTV番組も面白かったが、この原作本も大変楽しめた。あらすじは、既に知ってはいたものの、人物模様が繊細でとても面白かった。50年も前の当時の最先端土木技術と、現代の最新のトンネルボーリング技術は大いに違ってはいるだろうが、その現場で働く人の熱意やそれをサポートする人たちの一途な気持ちは変わらないはずである。その意味で、困難なことをやり遂げようとする人間の力は、現代に通じるものがある。いやむしろ、今では少なくなった、「社会のために」「日本の発展のために」など高い俯瞰した観点から仕事をこなそうとする現れには、不覚にも感動すら覚え、熱い気持ちに高ぶる所さえあった。

個人中心で、自分さえよければそれでよしとする風潮の現代に生きる我々にとって、こういった真剣で真面目で地道で愚直な生き方は、えてして「時代おくれ」と言われそうだが、本当はすごく・すごく大事なことであるように思える。
 評価:5小説を通して、「黒部」の厳しさを知ることができました (2009-03-26)
つい先日フジテレビでやっていましたね。
本を読んだのは、10年以上前のことなので、テレビと原作のどこがどう違うのかははっきり
わかりませんでした。
でも、原作もあくまでも小説であって、どこまで「黒部」の真実を伝えているかはわからない
ですよね。
それを頭に入れて読むなら、あの時代に果敢に挑んだ人々の様子を少しでも知ることができる
一冊だと思います。
黒部ダムにはこれまで2回行きました。
また機会があれば行ってみたいです。
 評価:4一気に読める秀作 (2008-10-05)
人跡未踏と言われた黒部の大自然と戦うトンネル屋の苦闘を描いた秀作だろう。これは平成版であり、加筆された部分が物語の流れをやや止めている感がある。作品を通して「芳賀の黒部」が描かれているが、破砕帯突破という男の世界と娘の運命を重ねているところは人間的と言える。
黒四は水との戦い。黒三は熱との戦いというのが好対照だ。高熱隧道は、戦争継続のための国家命令の下で、掘削事故や泡雪崩等読みながら目を覆いたくなるような工事が強行される様が吉村昭氏の手法で見事に描かれている。黒部の太陽は、木元正次氏の手により、自然との闘いを描きながら、リーダーシップや人間模様を一気に読ませるものである。
私としては、両作品も甲乙つけ難く、前後して読むことをお奨めしたい。また黒部を訪れてみようかと思った。
 評価:4酷評されている方もいらっしゃいますが… (2008-05-04)
とてもおもしろく、後半は一気読みだった。
「高熱隧道」と比較して本作に低い評価を付けた方もいらっしゃるが、本作と高熱隧道の両方を読んでみて、どちらが良作、駄作というものではないと感じた。
そもそも舞台となっている時代背景が違いすぎる(第二次大戦開戦直前と戦後)ので、その点が雰囲気に大きな違いを生んでいる。
また、主題ではないことを絡めている点も、小説としてある種の演出だと思うし、人物像の表現にもなっている。
私はそれらの点が本作を低く評価する要素だとは思わないので、興味を持った方には一読をお薦めしたい。
 評価:1少し気の毒ですが (2007-01-26)
黒部ダムへ旅行に行った折、吉村昭著作「高熱隧道」とともに購入。
内容は、吉村氏には遠く及ばない。併読されるのは気の毒に思います。
主人公の娘の病気とトンネル工事の進行をリンクさせている構成だが、
そのことが小説の焦点をぼかし、曖昧な作品となっている気がする。
作者の視点の置き所のセンスの差を感じた。
しかし、黒部の秘境を徳川時代まで遡り調べた記述は興味深かったです。

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